今から20年ほど前
上場コンサルティングをしていた時の話です。
今はもっと厳しくなっているでしょう。
昔の話だと思ってください。
かなり曖昧にしか書けませんので
ご了承ください。
1.寄ってたかって持ち上げたA社のケース
メガバンクから多額の融資を受けることに成功。
監査法人の監査を受け、全く問題なし。
経理部門は部長を中心に、十分体制が整備されている。
財務諸表だけを見れば、優良企業のように見えました。
でも、ちょっと気になる勘定科目が流動資産に。
この中に不良資産もあるのでは?
担当の経理部長さん、
とても優秀で、良い人でした。
彼は理解してくれましたが、、、
会計上は問題なしとの判断。
しかし
この部分を保守的に見ておかないと
将来の業績予想を見誤りそうです。
・・・・・
時は流れ、
心配した通りの結果になりました。
業績不振に陥ったのです。
ワンマン社長さん、どうしているかな?
もう社長さんでないことだけは確かです。
2.結果を急ぎすぎたB社のケース
多額の資金調達をしたB社。
期待は大きく、可能性も感じられるベンチャー企業でした。
難しいですね。
期待が大きく、せかされ、結果を急いでしまいました。
最初は、ギリギリセーフ。
実態はある取引ですが
下駄を履かせているように見えなくもない。
ここでやめておけば良かったのですが
時間がかかっていることに
さらなる焦りが出てしまったのでしょう。
次の取引では
やりすぎてしまいました。
実態があるとはいえない取引に。
監査法人からも待ったがかかりました。
その結果、信用を失い、、、
A社、
見かけを繕っても業績は良くはなりません。
見かけだけ良いというのは逆に危険。
そして、本当に失敗しました。
B社、
焦りから会計処理を使ってバブルをおこしてしまいました。
2回目のバブルは大きくなりすぎて弾けて消えました。
上場するにはタイミングがあります。
タイミングを逃したくなかったのでしょうね。
プレッシャーもあったのでしょう。
だからと言って見た目を繕っても
結果は悪い方向に行くだけです。
自分は、上場企業の経理時代には
国税や監査法人にも確認しながら
保守的な処理を心がけていました。
会計の目的は、
企業の状況を明らかにして
進むべき行き先を示すことだと思います。
会計処理で、見た目を繕ってしまうと
正しい状況が分からず、行き先を見誤ってしまいます。
紹介した2社は、まさに行き先を見失った事例です。